「コメディカルが最初に買う聴診器、何がいいですか?」
この質問に対して、私の答えは18年間ずっと変わっていません。リットマン クラシックIIIです。
実は私自身、入職当初はリットマンのマスタークラシック2という今は廃番になったモデルを使っていました。シングル構造で背側聴診がとにかくしやすく、今でも理想的なモデルだったと思っています。そのマスタークラシック2の後継として現在最もバランスが取れているのがクラシックIIIです。
この記事では、PT歴18年・集中治療理学療法士として毎日聴診器を使い続けてきた立場から、クラシックIIIを忖度なしでレビューします。

結論:コメディカルが迷ったらこれ一択
先に結論を言います。看護師・理学療法士・作業療法士、どの職種が使っても間違いない唯一のモデルです。急性期病院でも回復期でも集中治療でも、どんな現場でも聴診の質を担保できます。
ただし医師の方はハイエンドモデルを検討した方がいいと思っています。その理由も後半で説明します。
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| チェストピースの形状 | ★★★★☆ | 背側聴診に適したコンパクトな厚み |
| 音の明瞭さ | ★★★★☆ | 臨床で必要な音は十分拾える |
| 装着感 | ★★★★☆ | 長時間使用でも疲れにくい |
| コストパフォーマンス | ★★★★★ | この価格帯で最高のバランス |
| 耐久性 | ★★★★★ | 10年以上使える |
チェストピースの形状が最大の強み
クラシックIIIを最推奨する一番の理由はチェストピースの形状です。


指の間に程よくはまる厚みで、寝ている患者さんの背中とマットレスの間に忍ばせる「背側聴診」が非常にしやすいです。チェストピースが厚すぎると背側に差し込めず、体位変換が必要になります。クラシックIIIはその点で他のモデルと一線を画しています。
急性期・集中治療領域で働いていると、この「忍ばせられるかどうか」が毎日の臨床で大きな差になります。皮膚が脆弱な患者さんも多い中で、マットをそっと押し込んで隙間を作りチェストピースを背側に入れる。この操作をストレスなくできるかどうかがクラシックIIIを選ぶ理由の一つです。
音質・性能:臨床で必要な音は十分拾える
チューブの品質

チューブの品質はハイエンドモデルと比べても遜色ありません。音の伝達において不満を感じる場面はほとんどないです。
イヤーチップの密封性

ソフトシーリングイヤーチップが外の音をしっかり遮断します。安物の聴診器との差が一番出るのはここです。イヤーピースの密封性が低いと、病院の騒がしい環境では患者さんの音を正確に拾うことができません。クラシックIIIはこの点で信頼できます。
チェストピースの構造

クラシックIIIはダブル構造(ベル面・膜面)のチェストピースを採用しています。正直に言うと、理想はシングル構造です。私がかつて使っていたリットマンのマスタークラシック2はシングル構造で、背側聴診においてはそちらの方が使いやすかった。
ただしマスタークラシック2は現在廃番です。現行モデルの中でシングル構造を求めるとマスターカーディオロジーになり、価格が約3万7千円に跳ね上がります。コスパを考えるとダブル構造のクラシックIIIが現実的な最適解です。
メリット・デメリット正直まとめ
メリット
- チェストピースの厚みが背側聴診に最適
- どんな職種・どんな現場でも対応できる汎用性
- 価格帯(約13,400〜15,800円)に対して性能が高い
- 10年以上使える耐久性
- ソフトシーリングイヤーチップの密封性が高い
- カラーバリエーションが豊富
デメリット
- チェストピースがシングル構造ではなくダブル構造
- 集中治療・救急のハイエンド環境では上位モデルの方が使いやすい場面もある
- 医師が使うには少し物足りない可能性がある
こんな人におすすめ・おすすめしない人
おすすめの人
- 看護師(急性期・ICU・一般病棟どの現場でも)
- 理学療法士・作業療法士(全領域対応)
- 看護学生・リハビリテーション学生(就職後もずっと使える)
- 聴診器選びに迷っているすべてのコメディカル
他のモデルも検討したい人
- 集中治療・救急専門でさらに上を目指すPT → マスターカーディオロジー
- 循環器内科専門医 → カーディオロジーIV
- 整形外科専門・使用頻度が低い → ライトウェイトII S.E.
まとめ:迷ったらクラシックIIIを選んでください
18年間、さまざまな聴診器を使い比べてきた結論として、コメディカルが最初に選ぶ1本はクラシックIIIで間違いないと断言できます。
チェストピースの形状・音質・耐久性・コストパフォーマンス、すべてのバランスが現行モデルの中で最も優れています。購入時は必ず名前の刻印を入れることを忘れずに。



📚 参考・引用文献
- 執筆者の臨床経験(PT歴18年・ICU勤務・集中治療理学療法士)に基づく
- 3M リットマン公式製品情報

