正直に言うと、私はCardiology IVを看護師やセラピストの「最初の1本」としては積極的に勧めません。ただし、理由は性能不足ではなく、使う場面とチェストピース形状の相性です。
リットマン カーディオロジーIVを初めて手に取ったとき、最初の感想は「チェストピースでかっ!」でした。この厚みでは、寝ている患者さんの背側とマットレスの間に差し込む操作はかなり難しいと感じました。
私はPTとして急性期・集中治療領域で長く聴診器を使ってきました。一方、このCardiology IV自体は自分・家族での実機確認が中心で、患者さんに長期間メインで使用したレビューではありません。ここでは、実機を触って感じたことと、これまでの臨床経験を分けてお伝えします。

結論:高性能。ただし使う場面を選ぶ聴診器です
向いていると感じる人
- 座位・対面で聴診する機会が多い方
- 心音を含め、より微細な音を重視して聴診したい方
- チェストピースの厚みより、密閉性・音響性能を優先したい方
私なら別モデルも検討する人
- 仰臥位の患者さんを、そのまま背側まで聴診する機会が多い方
- 初めての聴診器で、まだ必要な性能が明確でない方
- 取り回しや薄さを重視する方
私自身は急性期で、仰臥位の患者さんを大きく動かさず、そのまま背側へチェストピースを差し込んで呼吸音を確認することがあります。その用途ではCardiology IVの厚みが大きなデメリットになります。ただし、すべての看護師やリハビリ職が同じ頻度でこの方法を使うとは限りません。座位や対面で聴診することが中心なら、この厚みは大きな欠点にならない可能性があります。
実際に手に取った第一印象:チェストピースでかっ!

購入して最初に触ったとき、思わずそう言葉が出ました。厚みがあり、仰臥位の患者さんの背側とマットレスの間へ差し込む用途では扱いにくいと感じました。
無理に背側へ差し込もうとすれば、患者さんやマットレスへの圧迫が強くなるため、私はこの使い方には向かないと感じています。一方、座位や対面で聴診できる場面なら、チェストピースの厚みは問題になりにくく、高い密閉性や音響性能を活かしやすいと思います。

クラシックシリーズと比較してもこんなに厚みが違います
性能レビュー:心音・呼吸音の聴き分けは最高峰
音の聴き取り性能
Cardiology IVはベル面と膜面を使い分けられるモデルです。自分や家族への聴診で確認した範囲では、私の「聴こえ方」の評価は5/5でした。ただし、患者さんへの臨床使用に基づく評価ではありません。座位で心音を丁寧に聴診する用途も想定されますが、実際の臨床での使い勝手は検証していません。
イヤーチップ・チューブ
イヤーチップはリットマン共通のソフトシーリングタイプで、密封性・装着感ともに高水準です。チューブの品質もハイエンドモデルとして申し分ありません。
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 音の明瞭さ | ★★★★★ | 実機比較では非常に高いと感じる |
| イヤーチップ密封性 | ★★★★★ | 外部音が入りにくく聴診に集中しやすい |
| チェストピース形状 | ★★☆☆☆ | 厚みがあり、私の背側聴診では取り回しにくい |
| 仰臥位のまま背側へ差し込む用途 | ★☆☆☆☆ | 私の臨床スタイルでは不向き |
| 座位・対面での聴診 | ★★★★★ | 高い音響性能を活かしやすい |
その他の参考画像




まとめ:高性能。でも「高性能=誰にでもおすすめ」ではありません
- 音の明瞭さ・イヤーピースの密閉感は非常に高い
- チェストピースが厚く、仰臥位のまま背側へ差し込む私の使い方では不向き
- 座位・対面で聴診する場面では高い性能を活かしやすい
- 職種ではなく「どんな姿勢・場面で聴診するか」で向き不向きが変わる
- 初めての1本で迷っているなら、私はClassic IIIを勧める


リットマン各モデルの違いをまとめて比較したい方はこちら。
📚 参考・引用文献
- 執筆者の臨床経験(臨床経験約20年・ICU勤務・集中治療理学療法士)に基づく
- 3M リットマン公式製品情報

